世界遺産を目指す街・鎌倉ノムコウ   クリスマスディナーは由比ヶ浜のフレンチ ete(エテ)で

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冬になると、海の色や空の色が透明に輝きます。 12月に入って綴らせていただいた七里ヶ浜由比ヶ浜の夕景。
先日、由比ヶ浜にあがってきた一艘の漁船。 この光景、美しい夕景、懐かしい風景……どのように映るでしょうか。


Yuigahama


源氏山に隣接する葛原ヶ岡付近からは、初期の縄文土器が発掘されている鎌倉。 昔から人が住み生活を営む地。
京都の格式にかなわず、奈良の歴史に及ばない―― けれど、鎌倉には海がありました。
材木座には和賀江島という現存最古の築港遺跡があり、『海道記』には多くの舟から物資が陸揚げされ賑わう様子が記されているのだとか。
江戸時代、鎌倉五ケ浦と呼ばれた漁港があったそうです。 五ケ浦とは、材木座、坂ノ下、腰越、片瀬、江ノ島。 鎌倉文学館の句碑にもある、

鎌倉を生きて出でけん初鰹  (芭蕉)

この句からもうかがえるように、相模の海で獲った初鰹は鶴岡八幡宮に献上され、八挺櫓の早船や馬を使って江戸へ運ばれたといいます。
その後、観光都市として舵をきった鎌倉。 磯の匂いは観光客に好まれない、ゆえに由比ヶ浜にも七里ヶ浜にも漁港はありません。
こうして鎌倉の数少ない漁師さんは、漁に出た後、毎回わざわざ舟を砂浜に上げているのです。 まるで、太古の昔のように。

鎌倉野菜も随分ブランド化されました。 青空市場と呼んでいた鎌倉の市場も、いまは「シェフが買出しにくる市場」として人気スポット。
レストランのシェフが、入手しにくいハーブ野菜などの相談を直接農家にしたことにはじまり、農家がそれに応え、作られるようになったそうです。
野菜も鮮度がいのち。 少しずつ種類を増やした質の高い野菜たちは、関谷地区や鎌倉山などで朝収穫され、そのまま市場に並びます。
新鮮な野菜は、やはりおいしい。 シェフと農家が一緒になってつくった野菜、真摯につくられた野菜は鎌倉のブランド野菜となりました。
もとは、上手にマーケティングしてつくったわけではないのです。

鎌倉はいま、世界遺産登録を目指しているのだと聞きます。 いまでも十分、道は混みあっていますが、まだまだ足りないようです。
都心から近く、湘南新宿ラインの登場により、日帰りエリアの広がった鎌倉。 日帰りのお客さまが鎌倉で使うお金は、一人平均千数百円。
もっと使って欲しい気持ち、わかります。 でも、満足のないところに人はお金をおとさない。 お客さまは、人は、正直だと思うのです。
お金をとるために高い塀をつくるお宮、拝観料をごまかす人、本堂の縁側でお弁当を食べる人々、写真を撮るために植え込みに入る人。
鎌倉が目指す「世界遺産」、「祈りの街」は、こういう姿ではないと思う。

一方、観光地であるからこそ、縁できる喜びもあります。 人が集まる、というのはやはり有難いこと。 
「鎌倉が好きだから、鎌倉で仕事をしたい」 そういう思いや内容のしっかりしたお店の出店。 この10年で鎌倉は魅力的なお店が増えました。
その1つである人気店、由比ヶ浜のフレンチ、ete(エテ)。 この間の日曜日、仕事を終えた友人と久しぶりにゆっくり食事をしました。


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ete クリスマスディナー
フォアグラと栗のヴルーテ、サラミのアクセント / 瞬間燻製したサーモンと黄卵、トリュフの香り / ミスジとウニをトマトで / パンとリエット
オマール海老のコンソメジュレ、パプリカと人参ムース / フォアグラのソテー、フルーツと鰻のマリアージュ
鮑のヴァプール、そのジュのエムルッション / ライムとバジルのグラニテ / 牛フィレ肉のポワレ、ソースペイリグー
そばのブラマンジェ、ゲランドの塩アイスとオリーブの香り / 大人シュラン or 子バシュラン / cafe or tea
(クリスマスディナー6,500円  日頃はディナー3,800円 / 5,000円  ランチ2,500円)


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eteのお料理がどれもおいしかったのは、言うまでもありません。 満席の店内、かけまわって仕事をしながら、相変わらず笑顔で対応するシェフ。
お金はとろうとするものではなく、満足する内容があるところに集まるもの。 そのための努力を惜しみなくする人の姿は、人の心を動かします。
私はやっぱり、そういうお店が好き。 そういう人のいる場所が好き。 これからも、そういうところに足を運び、そこでお金を使いたい。
それが私の鎌倉を応援する姿勢、小さな方法。 お店だけではなく、そういう場所が増えることで、鎌倉で過ごす時間や価値は高まると思うのです。
完成度の高い仕事、行き届いた清掃や設え、心に灯をともすサービス、誇張ではなく内容のあるものは、告知すればちゃんと人が集まります。
集まらないなら……やはり、人が満足するための何かが足りないのだと思う。 鎌倉をお高いイメージにしすぎるのも、ちょっと違うような気がする。
和洋折衷神さま仏さま、様々なものを取り入れる好奇心と遊び心。生垣から緑あふれ、花がこぼれ咲く風景。余地があると思わせてくれる場所、鎌倉。
正攻法すぎてつまらないかもしれませんが、鎌倉が好き、と言って集まる人、住まう人、商う人を相互に大切にした先にある、ステキな街を願って。

(あくまでも私の好きな鎌倉であり、私の視点です m(_ _)m)


Data
ete  0467-84-8114 鎌倉市由比ガ浜2-7-20山口ビル1F
*前回のete ジビエの魅力はコチラ


# by kamakura_mariko | 2011-12-25 23:00 | 鎌倉散歩 | Trackback | Comments(6)
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山本麻理子

生まれ育った鎌倉の風景

京都の格式にかなわず、
奈良の歴史に及ばない。
けれど
和洋折衷神さま仏さま、
様々なものを取り入れる好奇心と遊び心。生垣から緑あふれ、花がこぼれ咲く風景。"余地"があると思わせてくれる場所。ちょっと自由な空気。それが私の好きな鎌倉です。

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